齧りかけの林檎
第4章 ● 待つ君の ♂side
部活が終わると、誰よりも早く部室に向かって走った。
「おい!!!後片付けしていけよ!!!」
遠くでおれのことを呼んでるっぽいけど、無視した。
今はそれどころじゃない。
今日は晴れていた。
昨日より早く走れる。
図書館は高校からすごく近いから、約束の時間より早く着いた。
今日も彼女のお気に入りの、あの図書館の人は居た。
でも今日はおれとの待ち合わせ。
おれに逢いに来てくれるんだって思うと、
嬉しくなって図書館の人のことは気にならなくなっていた。