齧りかけの林檎
第4章 ● 待つ君の ♂side
いつも彼女が座っている窓際の席。
そこに座って待っていた。
外は暗くなってきていて、
ここに座っていても彼女が歩いてくるところは
見えないかもしれないけれど、
今日はここに座りたかった。
彼女がいつも座っているその椅子は、
少しだけ彼女のぬくもりが残っているような気がした。
そんなわけないけど。
だっていろんな人が座るし。
でも今のおれはなぜか、そう感じてしまった。
温かく感じたのは、緊張してるからかもしれない。
顔が火照っている気がする。
早く来ないかな・・・・・。