齧りかけの林檎
第4章 ● 待つ君の ♂side
牛乳が重い。
2本の牛乳が。
家に帰る前に、コンビニで買った牛乳。
なんで2本なんだよ、くっそ!
勢いよく玄関を開けると、ドアがガシャンと大きな音をたてる。
台所にいるオカンに牛乳を渡し、
「今日やっぱメシいらねぇ!
ちょっと、と、とと、友達と外で食ってくる!」
友達じゃなくて、好きな人だけど。
彼女には図書館の近くにある本屋で、待っていてもらうことになった。
さすがに一人で向かわせるのは危ないと思って、
大丈夫だと言う彼女を無理矢理、本屋に送ってから
ダッシュで家まで帰ってきた。