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ドラクエらんど

第13章 裏切り者

【銀髪青年の攻撃!】
【アイは100ポイントのダメージを受けた!】



「アイちゃん!!」



あたしたちを庇って攻撃を受けたアイちゃんは、スローモーションのように弾き飛ばされた。
胸元にはザックリと爪でひっかけられた跡があり、大量の血が滲みでていた。



「アイちゃん……!!」



すぐさまアイちゃんの身体を抱き起こそうと駆け寄ると、


「にげ………て………」


口から血を吐きながら、アイちゃんがかすれた声を出した。



「やだっ…置いてけないよ!! 今治すからっ…」


「……アカ……ツ……キ……」



あたしはアイちゃんにベホマをかける。
アイちゃんの傷が少しずつ消えていった。



「ごめ……アカツキ……本当は……」



そこまで言って、アイちゃんは目を大きく見開いた。



「……え……」


ドンッッ!!



突然、あたしはアイちゃんにおもいっきり身体をつきとばされよろめいてしまう。
同時に背後に禍々しいものを感じた。



「裏切り者は死するのみ」



振り返ると、黒い翼を生やした銀髪青年が片手を振り上げたところだった。



「ザキ」



冷たい表情で銀髪青年はその呪文を口にする。



どこからともなく涌き出た黒いもやが、アイちゃんの身体を包み込んだ。



「いやっ……来ないで!!
いやぁぁぁぁぁぁ!!」



悲痛な叫び声をあげるアイちゃん。



「アイちゃん……!!」



助けにいこうとするあたしをれんじさんが止める。



アイちゃんは悲鳴をあげながら黒いもやに包まれ……



「いやぁぁぁ!! アイちゃん……!!」



あたしの叫び声もむなしく死んでしまった……



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