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ドラクエらんど

第13章 裏切り者


ザシュッ…!!



「よくもアイをっ……!!」



まさかのレイナちゃんからの不意打ち。
レイナちゃんは背後から短剣で銀髪青年を切りつけた。
その表情は悲しみに満ちていた。



「…小娘がっ!」



背中を切りつけられた銀髪青年は、れんじさんに向けてた手をレイナちゃんに向け直す。



「レイナちゃん、危ないっ…!!」



あたしが咄嗟に叫ぶと、


『メラッ!!』



あたしのそばにいたはずのうさぴょんが、至近距離から銀髪青年の顔めがけて火の玉を飛ばした。



「こざかしい真似を……」



だけど威力が弱かったのか、かすり傷ひとつ負わせられない。



「なにやってるうさ公! アカツキと月影を連れて逃げろ!!」

『嫌だ!! ボクも戦うぴょん!!』



銀髪青年の周りを、レイナちゃんとれんじさんとうさぴょんが取り囲んだ。



レイナちゃん……どういうこと?
さっきまでは銀髪青年を崇拝してたように見えたのに…。



「アカツキ……さ……」



その時、背後から苦しそうな月影さんの声が聞こえてきた。



「月影さんっ…!」



月影さんは頭を押さえながらフラりと歩きだす。



「………れなくて……」

「…え…」

「あなたの……友…達を………守れなくて……すみません……」

「月影さん……」



あたしは涙をこらえながら頭を左右に振った。



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