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ドラクエらんど

第14章 ブラック…

「ハァァ!」



突如、小柄男が月影に回し蹴りをする。が、月影は寸前で避け、小柄男の足首を掴んだ。



「うわぁぁぁ!」



そのまま勢いよく振り回され、小柄男は放り投げられる。



「…チッ」



俺は月影の背中に向かって突進した。



「目を覚ませ、月影ぇぇぇ!!」



タックルを試みるが、振り向き様に強烈な裏拳を食らってしまう。



「ぐああっ……!」



俺の身体は勢いよく吹っ飛ばされた。



右頬に激痛が走る。
目がチカチカする。

やべぇ………!



「…もう終わりか、つまらないな」



月影は鼻で笑うと、身動きできない俺を見下ろした。



「あの世で仲間を恨むんだな」

「…ちく…しょっ…」



奥歯を噛み締めながら月影を睨む。
なんとか立とうと手に力を入れるが、思いっきり背中を踏まれ身動きできない。



「……はぁ、はぁっ……」



ここで……死ぬわけにはっ……!



俺は片目をうっすらと開け、震える手を月影に伸ばした。



「つき…かげっ……」



頼む……目を覚ましてくれっ……!



「…痛っ…」



その思いも虚しく、伸ばした手も靴で踏まれてしまった。



もう、こいつは月影じゃない………

ブラック月影なんだ……



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