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「今度こそ、死ね」



ブラック月影の低い声が響く。



……ここまでか……



そう思った矢先、月影の力がフッと弱まった。



「くっ……うぅ！」



突然、ブラック月影が頭を抑え苦しみだした。



「……に、げ……」

「！」

「逃げ……て……くだ……さ……」

「月影！？」



身動きできるようになった俺は、ゆっくりと立ち上がった。



「よけろ！」



その時、小柄男が勢いよくこっちに走ってくるのが見えた。
手にはこん棒を持っている。



「ハァァァ！！」



小柄男はこん棒を思いっきり降り下ろした。



「やめろ……！！」



俺が叫ぶと、月影はとっさにこん棒を片手で受け止めた。



「な、にっ…！」


小柄男は歯を食い縛る。
月影の顔は…笑っていた。
月影に戻ったのは一瞬で、またブラック月影が顔を覗かせていた。



「くぅ…！」


こん棒がミシミシ音を立てる。
小柄男は力を入れるが、月影はニヤリと笑ったまま動じなかった。



「月影、やめろ！ いるんだろ、まだそこに！！」



俺はブラック月影に呼びかけた。
まだ完全に体を支配されたわけじゃない…
月影の意志次第で、奴を追い出せるかもしれないんだ！



「戻ってこい、月影！！」