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ドラクエらんど

第14章 ブラック…

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バサッ バサッ……


ブラック月影はゆっくりと翼を羽ばたかせた。



「…やっと、おとなしくなったか」



この身体にとり憑いたものの、ずっと抵抗し続けていた身体の主、『月影』。
まだ完全に支配しきれてはいないが、悪魔の力で封じ込めることができた。



「ふむ…」



両手を動かしてみる。
あの銀髪の男よりは断然動きやすい。
ブラック月影はニヤリと笑みを浮かべた。
れんじたちが逃げた方向に顔を向ける。
そして飛び立とうとした時…



「お、お兄様!? 誰がこんなことを…!!」



近くで叫び声が聞こえた。
その声の主の方を見ると…
串刺しにされた銀髪男のそばに、同じく黒い翼を生やした少女が立っていた。



「何をしている、ゆず」



ブラック月影は顔をいぶかしげながら、その少女に話しかける。
ゆずと呼ばれた少女は、ブラック月影と同じく、見た目は人間だった。


だいたい10歳くらいだろうか…
ウェーブのかかった銀色の髪は腰辺りまで伸びており、瞳はブルー、格好はゴスロリ系でまるで天使のような可愛い少女だった。



「え? え? お兄様?」



ゆずはキョトンとして、ブラック月影を見上げる。



「喜べ、ゆず。新しい身体が手に入ったのだ」



ブラック月影はゆずのそばに近づいた。



「い、イケメンですわ…」



ゆずの頬がポッと赤く染まる。



「これからは月影と呼べ」

「月影……フフ、素敵な名前」



ゆずは嬉しそうだ。



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