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ドラクエらんど

第17章 選ばれしもの

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【東の森・一軒家】



──あぁ…身体中があちこち痛い…。


リアルのように感じるこの痛み…。
俺はまだ生きているのか?



視界がぼやける中、誰かが俺をのぞきこむ姿が目に入った。



「──…」



そいつは俺の顔をジッと見た後、顔を近づけてきた。



「…やめろ」



何をする気か、一瞬で察した。



「なぁんだ、起きちゃったんだ」



アカツキじゃない。
知らない女の声だ。



「せっかく癒してあげようと思ったのに」



幼い声…。



何度か瞬きすると、だんだん視界がハッキリとしてきた。



バタン


扉が閉まる。
どうやら部屋を出て行ったようだ。



「ここは…」



ログハウスではないな…。
ブラック月影との戦いから必死で逃げて、その後の記憶がない。



─あの小柄男の家か?



ゆっくりと起き上がって周りを確認すると、ベッドの脇に俺のパーカーと帽子が綺麗に畳んで置かれていた。



──じゃあ、あの女は俺の額の火傷痕を見たんだな…。



「…余計なことを…」



俺はすぐさまパーカーを着て、帽子を深く被った。



一階に降りると、小さな机を囲んで小柄男とうさ公がいた。


『良かった、れんじ。もう大丈夫ぴょん?』


うさ公は元気そうだ。



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