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ドラクエらんど

第18章 ビッツの館 (前編) ※BLあり

「えぇ。他の方もすでに到着しております」

「…え…」



僕とひなたくんは顔を見合わせた。



「他の方って…」

「あぁ、そちらの武器はこちらで預からせていただきます。安心してください、この館に魔物は出ませんので」



すると廊下の奥から、布の服を着た少年が歩いてきた。
執事のような服装をした長身の男とは違って、あまり身なりは綺麗じゃない。
よく見れば靴も履いていない。



「お預かりします…」



武器を渡す時に、少し少年の手が震えてるのが気になった。



「では、ご案内します」



長身の男はニコリと微笑むと、薄暗い廊下を歩き出す。



「…アキラさん…」



ひなたくんが小声で話しかけてくる。



「なんか、魔法使えます?」

「えっ…ホイミくらいなら…」

「それだけですか?」

「だ、だってまだレベル5だし…」

「…素手で戦うか…」

「え、この館に魔物はいないって…」

「多分これ強制クエストですよ。クリアしないと逃げられないっぽい」

「…まさか、僕たちだけ?」

「オレたち以外にもプレイヤーがいたらいいんですけど…」



長身の男の足が止まる。



「あとから順番にお呼びしますので、こちらでお待ちください」



僕たちのヒソヒソ話が聞こえていなかったのか、長身の男は淡々と話した。



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