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ドラクエらんど

第18章 ビッツの館 (前編) ※BLあり

「れんじさん!」



下から月影が駆け上がってくる。



「月影……マッチョ野郎は?」

「大丈夫です、今は眠ってます」

「倒したのか…」



あんな短時間でどうやって? 斧で?
その割には血生臭い匂いはしない…。



「れんじさん、これ。机の下に落ちてました」



月影が俺のスマホを渡してくれる。



「……あぁ、助かった」



月影のことはまだ信用できない。
でも少なくともこの状況では、一緒に行動する方が有利みたいだ。



俺はスマホのライトで暗闇を照らした。
さっき頭突きを食らわせたやつの顔が少し見える。

マッチョ野郎じゃない。
ボロい服を着た男だった。



俺は男にキスされたのか…。
マッチョ野郎といい、ここはなんなんだ…。



嫌な予感が頭をよぎる。



「一体ここはなんなんだ」

「れんじさん、気をつけてください。暗闇の中にまだ何人か潜んでます」

「……」



なんでそんなことがわかるんだ、月影。
やっぱり……



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