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ドラクエらんど

第19章 ビッツの館 (後編)

「勝手に"俺たち"ってまとめんなよな…。どんな月影でも、月影は月影だよ」



そう言って、僕は回れ右をした。
やっぱれんじとはソリが合わない……って、部屋を出ようとしたら、ガチャリと勝手にドアが開いた。



「…あぁ、こんなところにいらっしゃったのですね」

「……YUIさん!」



使用人のYUIさんがうっすらと微笑みながら部屋に入ってきた。



「あの……ひなたくんは!?」



僕が言うと、YUIさんはクスリと笑った。



「ご安心ください、無事ですよ」



ホッとすると、またも誰か部屋の中に入ってきた。
ボロい服を着た男だ。
でも顔はすごくイケメン……って、え!?



「ひなたくん!?」



YUIさんの隣に立っていたのは、ひなたくんだった。



「なんでそんな格好……」

「アキラさん」



ひなたくんの右手にはレイピアが握られていた。
ひなたくんはどこか疲れきった表情をしていた。



「何か、あったの…?」



僕の言葉に、ひなたくんのこめかみがピクンと動く。



「アキラさん……」



ひなたくんはスッとレイピアの剣先を僕に向けた。



「え…」

「捕らえろ」



瞬間、部屋の中に大勢の男たちが押し寄せてきた。僕とれんじは男たちに簡単に捕らえられてしまった。



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