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その時──ドオオオオオンッ！と凄まじい音が響いて、地面が揺れた。



「地震……！？」



激しい横揺れだ。
僕たちは鉄格子に掴まって耐えた。



「安心して、アキラさんたちは後で逃がすから」



天井から降ってくる石の固まりを避けながら、ひなたくんが話し続ける。



「とりあえず上にいる悪魔を倒してくる」



そう言うとひなたくんはきびすを返し、地下から出て行ってしまった。



「ひなたくん……！」

「上の悪魔？…って、まさかさっき外で見た魔物のことか？」

「…………あれは月影だ」



れんじの言葉に、またも僕は目を丸くした。



「は？ 月影？」

「月影っていうのか？ あの翼を生やした悪魔は…」



昭玄さんの言葉に、れんじが深く頷く。



「えっ……月影が、悪魔？ なんだよそれ…！」



なんだか胸騒ぎがしてきた。
ひなたくんが悪魔を倒す？
月影を──倒す？



「え、ちょっ………それは駄目だろ！！」



僕は鉄格子をガシャガシャと揺らした。
するとさっきの地震で歪んだせいか、鉄格子はグラグラと動きだした。



「どけ、アキラ！」



れんじが激しく鉄格子を揺さぶると、ガキンッと鉄格子が２本外れた。