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ドラクエらんど

第19章 ビッツの館 (後編)

「ひなたくん! YUIさんっ!」

「…アキラさん!?」



僕はすぐさまYUIさんの背中に両手をかざすと、「ホイミ」を唱えて少し体力を回復させた。



「だめだ、アキラさん! すぐに逃げて…」



ひなたくんの言葉が言い終わらないうちに、月影がこっちに向かって飛んできた。



「ひなたくん、これ借りるよ!!」



僕はとっさにひなたくんのレイピアを持って構えた。



「…ごめんな、月影…」



僕の両手はカタカタと震える。
こんなんで倒せるかわからないけれど……でもきっと月影は悪魔に体を奪われて苦しんでるはず。
だから早く助けてあげないと…!



「…僕のせいでっ…」



稲光が走って空が明るくなる。
一瞬、月影と目が合った。
でも月影は僕の姿を見ても怯まなかった。
鋭い爪のある右腕を振り上げて、僕に襲いかかってきた!



「うわあああああああ!!!!!」



僕はレイピアを天に向かって振りかざした。

瞬間、



視界全てが光に包まれた。



「!?」



眩しくて、僕は目を瞑った。



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