テキストサイズ

ドラクエらんど

第22章 星見の塔 (後編)

エレベーターの扉が開くと、何もない広間にポツンと人が立っていました。



「…ヒイラギかい?」



その人物は町の服を着たおじさんでした。



「お…お父様!?」

「えっ?」



ヒイラギ殿が目を丸くして、そのおじさんを凝視しています。



「あれ? よく見たら教会で眠っていたヒイラギ殿のお父上…ゲン殿じゃないですか?」

「お父様…どうしてここに?」

「あ、もしかして月影殿が戻ってきて、世界樹の葉を使ったんですかね?」

「それにしては私たちより早くここにいるなんて、ちょっとおかしくない?」

「ですよね…」



するとヒイラギ殿が目に涙を溜めながら、ゲン殿の胸に飛び込みました。



「待って!」

『ヒーヒッヒッヒ! ひっかかったな!』



瞬間、ゲン殿は甲高い笑い声をあげながら姿を変えました。



「なっ…」



その姿はドラクエ8に出てくる道化師にそっくりでした。
手には杖を持っています。



『我が名はゲスドルマ』



そう、ゲスドル……え?
そんな名前でしたっけ??



『悲しいなぁ~悲しいなぁ~』



ゲスドルマは卑しい表情を浮かべながら、杖を振りかざしました。



「逃げるのよ!」



つくし殿がヒイラギ殿に向かって叫びました。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ