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ドラクエらんど

第22章 星見の塔 (後編)

「待って、そいつは私のお父様を…!」



和やかムードにハッとしたヒイラギ殿が剣の先をベビーサタンに向けました。



『ま、待ってくれよぉ! やったのは俺様じゃない!! 本物のゲスドルマだよ!!』

「えっ…」

『俺様、見かけこんなんだし力も弱くてずっと強いやつに憧れてたんだ。そんな時、強くしてやるから一緒に来いって黒い服を着た男からスカウトされてさ、この塔にきたんだ。で、俺様の他にもスカウトされた魔物たちがいて、その中にゲスドルマもいたってわけ』

「なんですって? じゃあ、他の階には本物のゲスドルマがいるってこと?」

『うん。上から順番に俺様、ウィッチ、ピーター、ゲスドルマだよ』

「ウィッチ、ピーターって誰ですか」

『ウィッチはおばさんで、ピーターは鎧着てる』

「……」

『みんな俺様よりも強いんだ! だからせめて見た目だけでも恐くしようと偶然落ちてた変化の杖を使って変身したんだけど…』

「変身しただけとはいえ、なかなか手応えあったわよ」

『ほ、ほんとか?』



ベビーサタンを褒めるつくし殿。
やっぱりどこでも誰に対しても教師の立場を忘れないんですね。
でもあっしはゲスドルマCに言われたことを思い出したので、ベビーサタンの頭を殴ってやりました。



『何すんだよぉ!』



あっしは無視しておにぎりを頬張りました。
うん、塩加減がちょうどいいです。


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