ドラクエらんど
第23章 緊急ログアウト
どうせなら、月影みたいにイケメンにすれば良かった……。
たぶん月影もまあやさんもみんな、リアルの姿とは異なるんだろうな……。
「はあ……」
僕はため息をつくと、近くのベンチに座った。
「ねーねー、おじさん。隣座ってもいい?」
「おじ……コホン。どうぞ」
いつのまにそこにいたのか、僕の目の前に小学生くらいの女の子が立っていた。
小学4年生くらいだろうか……
一人でこんなところにいるなんて、もしかして……
「はあ、ママ遅いなぁ~。ドラクエのゲーム、あと何分かかるのかなぁ」
「!」
まさかの、親待ち!?
まさか子供を置いて自分だけ体験イベントに参加するとは……
ママは一体誰なんだ?
「あっ、久遠様! ここにいらっしゃいましたか!」
その時、さっきのスタッフがこっちに歩いてきた。
そのスタッフの後ろには若い女性がいる。
もしかしてこの子のママか?