秘密の兄妹
第2章 兄が男に変わるとき
「入りな…」
俺は紫織に部屋に入るように促すと、ソファーではなくベットに腰掛けた。
紫織はおずおずとしながら、ドアの前に立ったままだ。
「紫織、おいで…」
ビクついている猫を誘うように優しい声で紫織の名を呼び、俺の隣に座るように自分が腰掛けているベットをポンポンと叩く。
紫織はドアを閉めると、少し照れた顔で俺の隣に座る。
まんまと罠にはまって……どこまで純粋なんだか……。
今まで誰にも奪われなかったのが逆に奇跡だな……。
「えへへ、お兄ちゃんの部屋に入るの久しぶりだから緊張しちゃう。」
俺は、うきうきしながら声を弾ませて笑う紫織の顔を真面目な顔で見つめる。
「……駄目だよ、紫織。いくら自分の兄貴の部屋でも、簡単に男の部屋に入るなんて……」
「そんなんじゃ何されても文句は言えないよ……。」
「…えっ…?」
紫織が俺のその言葉に反応して俺を見上げたその瞬間、
俺は紫織の顎に手を添えて、紫織の唇に自分の唇を重ねた。