秘密の兄妹
第2章 兄が男に変わるとき
俺からしてみたら、いたって普通のキス。
紫織から唇を離して、紫織の顔を見ると、紫織は目をまんまるにしていた。
「……えっ?…」
何が起こったのかまだ理解できていない紫織……。
……もっとちゃんと分からせるか……。
俺は紫織の顎を強く掴むと再び紫織に口づけをする。
「…んっ……んんっ……」
今度は唇を味わうように、長いキスを角度を変えて何度もする。
顎を掴んだまま唇を離して紫織の瞳をじっと見つめる。
「…紫織、俺がいまお前に何してるか分かってる?」
「…キ…ス……?」
放心状態でいる紫織が、少し怯えながら俺の目を見る。
「…な…んで…?わたし…妹…だよ…?」
「…妹だからだよ。」
紫織は泣きそうな顔で、俺のことを見ていた。
「…意味…分かん…ないよぅ…」
俺は紫織の唇を親指でなぞりながら答える。
「俺たち、両親がほとんど家にいないだろ?だから親から性教育を何一つ受けていない。」
「親の代わりに兄貴としてこれからそれを教えてやるよ。手取り足取り丁寧にな…。」
「紫織、口開けて…。」
紫織は頭をフルフルと横に降り、俺を拒否する。