秘密の兄妹
第2章 兄が男に変わるとき
行為が終わると、紫織は俺に背を向けて、俺のベットに横になっていた。
紫織は何も話さず黙っている。
「……紫織、こっち向いて…」
俺が呼び掛けると、紫織は俺の方に身体を向ける。
「痛かったか……?」
紫織は俺の瞳を見つめると、潤んだ目で俺に尋ねる。
「……お兄ちゃんは彼女いないの…?」
「…何でそんなこと聞くんだ?」
「…だって…こういうことは普通は好きな人とするものでしょう…?」
「お兄ちゃん、モテるし…私じゃなくても相手はいくらでもいるはずなのに……何で私なの…?妹…だよ…?」
お前を好きだからなんて言えない……。
「…妹なら後腐れないから……」
「したいっていう欲望だけで他の女としたら、その女は勘違いする。彼女気取りになって、図々しくなるしうっとおしい…」
「その点、お前は俺にとっては好都合の相手なだけ。まあ、簡単にいえばお前は俺の欲望のはけ口になるオモチャ。」
「……オモチャ……?」
紫織は悲しげな顔をして下を俯く。
「で、どうすんの?日曜日…」
「春樹は紫織にさっき俺がしたことと同じことするつもりだ。これは本当…。俺にも紫織とするって宣言してたし。」
「……メールで断る…行けるわけないよ……。」
俺は紫織の頬に手を伸ばし、紫織のことを見つめる。
「紫織、一つ提案がある…。」
「提案?」
「…お前、これから俺のオモチャになれ。俺がしたいとき相手になれ…」
紫織は驚いた顔をする。