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ダイニングに着くとクロードは去って行った。


蝋燭の灯りだけが部屋を照らしウィル王子とユリの2人だけのディナーとなった。


ウィル王子と向かい合わせに座らせユリは少し緊張気味だったものの蝋燭の灯りがユリを自然とリラックスさせた。


それどころか歩き回った疲れが出たのか睡魔が襲ってくる。


しかし寝る訳にはいかないのでユリはウィル王子と何か話でもしようと話題を振る。


ユリ:「あの・・いつもこんなに暗いんですか？」


ウィル:「え？」


ユリ:「蝋燭の灯りで食事をする事があまりないので・・」


ウィル:「ああ、言われてみれば珍しいかもね」


ユリ:「はい。でも明る過ぎず落ち着きます。」


メイドが料理を運んで来て食事をする。


そして男性がワインボトルを持って来るとウィル王子はそれを受け取り下がらせる。


ウィル:「ユリはワイン好き？」


ユリ:「はい」


ウィルはユリのワイングラスにワインを注ぐとユリもウィル王子のグラスにワインを注ぐ。


そして2人は乾杯をする。


たわいない話しに花を咲かせながら食事が進む。


ウィル:「ところで明日の夜なんだけどパーティーがある」


ユリ:「確かこのお城で開かれるんでしたね。」


ウィル:「そう。君にも出席して貰いたい」


ユリ:「え？どうしてですか？」


ウィル:「君の歓迎を兼ねて。嫌かな？」


ユリ:「・・・・」


ウィル:「君が居るだけで退屈なパーティーも華やぐ」


ユリ:「・・ウィル様もパーティーは苦手ですか？」


ウィル:「実は言うとね。クロードの前では言えないがあまり得意ではない。」


ユリ:「そうなんですね。」


ユリは少し考え込むとパーティーに出席する事を決めた。




ウィル:「本当に良いの？」


ウィル王子は目を見開き驚くと嬉しそうな表情に変わった。


パーティーが苦手なユリが了承してくれるとは思っていなかったからだ。