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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第6章 契約

ユリ:「・・・・」


未だにぼんやりとベンチに座るユリに黒い影がまた覆う。



クロード:「こんな所に居ましたか。ユリ様あれ程私の目の届く位置に居てとお願いしましたのに何故この様な人気の無い場所に?」


ユリ:「・・すみません」


ウィル:「クロードあまりユリにキツく言うな。慣れないパーティーで疲れただろう。今日はもうゆっくり休むと良い。部屋まで送ろう」


ウィル王子がユリを連れて行こうとするとすかさずクロードが立ちはだかるとウィル王子はクロードを鋭く睨む。


しかしクロードはウィル王子の態度に慣れているのかいつも通りの表情のままウィル王子を見つめ返す。


クロード:「申し訳ありませんがウィル様、国王様がお呼びです。ですのでユリ様は代わりに私が責任持ってお部屋までご案内致します。」


ユリ:「あの・・クロードさん、私なら1人で部屋に戻れます・・あっ・・」


立った瞬間に足下がフラつく。


ウィル:「ユリ!」


クロード:「!」


咄嗟にウィル王子がユリを支える。


ユリ:「すみません。ウィル王子・・」


クロード:「全く貴方という人は。勧められるままに飲むからです。」


ユリ:「・・・・//」


結局ユリはクロードに支えられるまま部屋まで送って貰う事になった。


酔っていた事に今になって気付く。


グレン王子と居た時は頭は冴えきっていたのに急に身体の力がガクッと抜け落る様な感覚に追われる。


そんなユリの身体を支える様にして歩くクロードはユリの身体がこんなにも軽いものかと驚く。


クロード:「・・・・・」


ユリ:「あの・・すみません、支えて貰っちゃって。」


クロード:「さっきから貴方は謝り過ぎです。自覚があるなら今後気を付けて下さい。」


ユリ:「はい・・」


ユリの部屋に着くとクロードはユリをソファに座らせる。


クロード:「そのままお待ち下さい。今、お水をお持ちします。それと何か少し軽食もお持ちしましょう。」


ユリ:「・・・・」


未だにボーッとするユリを見て溜息を付く。


クロード:「・・・・」


クロードは色々と聞きたい事があったが今は諦め部屋を後にした。


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