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王子様のプロポーズ〜クロード編〜

第6章 契約

懐かしい記憶が蘇る。


自然と公園に集まる3人だったが、いつしかユウが姿を見せなくなる。


ユリ:「ねえ、ユウ兄ちゃんは?」


グレン:「・・家の用事で今日は来れないって」


ユリ:「ふーん・・明日は来れる?」


グレン:「さあ?」


ユウの姿が無い事に悲しそうな表情をするユリ。


グレン:「んな顔すんなよ!俺が居るだろ!」


ユリ:「うん・・グレンくんは居なくなったりしない?」


グレン:「当たり前だろ!居なくなったりしねーよ!」


ユリはニコッと嬉しそうに笑顔を見せる。


そしていつしかグレン王子はユリと2人で遊ぶ様になるが王族であるグレン王子は国に帰らなくてはならなくなり、ユリと会う事が出来なくなった。


グレン王子はオリエンスに戻ってからずっとユリの事が気になっていた。


いつか遠い日本に行きユリに会いたいと思っていたが公務に携わる様になってから中々思う様には行かなかった。








ユウ:「グレン様そろそろ帰りのお時間ですが・・」


グレン:「ああ、もうそんな時間か・・」


ユリ:「グレン様 もう帰られるんですか?」


グレン:「ああ、あんたはしばらくここに居るんだよな?」


ユリ:「はい」


グレン:「そういえば着替えの時、ウィル王子と何話してたんだ?」


ユリ:「何って・・普通にドレスを選んでくれていただけですよ?」


グレン:「ふうん・・本当にそれだけ?」


ユリ:「・・・・」


グレン:「あんた昔と随分変わったな」


そう言い立ち去ろうとするグレン王子


ユリ:「そりゃ変わるわよ・・」


グレン:「・・・・」


ぴたっと立ち止まりユリを見ると刹那気に俯く。


するとユリにグレン王子の影が覆う。


グレン:「ごめん・・」


バツ悪そうに言うグレン王子に不思議そうな表情で見つめ返すユリ


グレン:「もう20年ぐらい前になるよな・・あんたに黙って消えた事ずっと気になってた。」


ユリ:「・・・・」



グレン王子が立ち去り1人ベンチに座るユリ




一方リムジンに向かうグレン王子はユリと遊んだ幼少期からずっと胸の奥底で思い続けていた思いをずっと抱え続けていた。


ユリを目の前にして余裕のない自分が腹立たしく思いながら帰りの車内では窓の外をぼーっと見つめながら帰宅したのだった。

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