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第1章 窓の向こう






午後は雨だった


今日は外の部活無いんだろうなぁ…



雨が強くなる前にお母さんに電話して帰る準備をしよう
と思った時だった



保健室の扉が開き、制服を綺麗に着こなした坊主頭の少年が入ってきた



「失礼します」




ぱっと見 昼にも来たあの人だと思ったけど
雰囲気も顔立ちも 少し大人っぽい感じ
坊主も中島君程短くない




「あら、見慣れない顔ね
どうしたの?」



先生は立ち上がり赤十字マークのついた箱に手を掛けた

しかし…





「あっ 先生すみません、俺怪我なんてしてません
この子に用があって来たんです」




この子… と言い私を人差し指で差す



「あらあら何何、 今日モテ期なのね有結ちゃん」




モテ期も何も
私は嫌な予感しかしなかった


必死に目合わせないようにするが
足音は近付いてくる


ベッドに腰掛けている私の視界に
真っ黒な頭が見えた


顔を上げると頭を下げた少年




またか…




重い溜息が漏れた





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