
oh!my honey!
第5章 five
大「ヤス、毎日、毎日泣いてんねんで。横山くん、ヤスのこと好きなんちゃうの?勢いでもなんでも、気持ちがなくて横山くんがそんなことしたなんか、俺は考えられへんねんけど。どうなん?はっきりしてや。」
俺の頭は、大倉の話に追いついていけず、
理解するのに、だいぶ時間がかかってしまった。
その間、ずっと大倉の鋭い視線が俺を捉えていて、喰われるんじゃないかと思った。
要するに、大倉は俺とヤスの間に何があったのかを知っていて、
ヤスのことを心配しているのだ。
そうして、俺が黙ってしまっているうちに、痺れを切らした大倉がまた口を開く。
大「あぁー、もう!横山くんはさぁ、何をそんなに怖がってるの?なんで、ヤスがあんなに傷付いてるんかわからへんの?なんぼほど鈍感なん!めっちゃムカつくわ。
早よせな、ヤスのこと俺がもらうからな!
横山くんのアホ!」
横「えっ、あっ、ちょ!大倉!!!」
早口に話した大倉は、あからさまに怒ってしまったようで、
ドシドシ!という効果音がぴったりな歩き方で、さっさと楽屋へ戻って行ってしまった。
どうやら、大倉もヤスが好きらしい。
正直、焦っている。
ほんまに大倉とヤスがデキてしまったら、
俺はただの可哀想な人で、
もう、立ち直られへんし、
それこそ、どんな顔してエイトにおればええんかわからへん。
大倉に言われた言葉はどれも、
俺の胸に突き刺さって、ズキズキと痛かった。
