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ネイキッドな君

第1章 俺は君を見つけ、

「私が傍にいてもいいのか?」


亮は不安そうに聞いて来る。


「全然構わないよ。むしろ、傍にいてよ」


夏樹の言葉に亮の頬が赤くなる。


「お、おお、お前という奴は…!」


今までぞんざいだった亮が急に素直に恥ずかしがった。


やば……可愛い…


「可愛いね、亮ちゃん」


「だ、黙れ!」


夏樹は更に赤くなる亮の手をとった。


「そうと決まれば早速、生徒会室に行こうか」


「ま、まだ心の準備が……っておい!」


「んー?何?」


夏樹が亮の手を引っ張り生徒会室に向かっていると、急に右手に激痛が走った。


「痛っ!いててて!
ちょ、ギブ!ギブ!」


亮は冷めた顔で夏樹の手首をありえない方向に捻り上げていた。


「待てと言っているだろう?
お前は耳が聞こえないのか?それとも、人間の言葉が分からないのか?
どちらだ?答えろ」


「とりあえず、痛いから離してよ」


顔を歪めて言うと、亮は投げ捨てるように夏樹の右手を離した。

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