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ネイキッドな君

第1章 俺は君を見つけ、

「え、ちょ!何処行くの!?」


亮は夏樹の問いに一切答えず、階段を上がる。


4階まで上がると生徒や先生の姿はなく、静まりかえっている。


亮は夏樹の手を引いて階段の下のあまり目立たないスペースに潜り込んだ。



「何でこんな所に来たの?」


沈黙を破るように夏樹が聞くと、亮は少しうつ向き言った。


「私がクラスで浮いていることくらい、お前も分かるだろう?そんな私と人気者のお前がしゃべったりしたら…お前まで…」



あ、ヤバイ…泣くか?



話している亮の目はすでに潤んでいる。


夏樹は思わず亮の頭をそっと撫でた。


「気を使ってくれたんだよね。ありがとう。」


亮は夏樹の言葉にうつ向きながら首を大きく横に振った。


「でも俺は亮ちゃんと一緒にいたい」


亮は驚いたように顔を上げた。

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