
秘密の時間
第1章 マリアの秘密
私は、サッと制服を直した。
「…何をしているんですか?
とっくに下校時間は過ぎましたよ」
先生?……
そう思いながら、足元にあった眼鏡を掛けた。
クリアになった視界に入った人は、案の定、先生だった。
しかも、最近女子に人気のイケメン先生だ。
寿退職した英語の先生に代わって、新しく入った…
岩崎駿(イワサキ シュン)先生だ。
生徒じゃないだけでも、ラッキーかも。
「…すいません。すぐ帰ります」
私がそう言うと、岩崎先生はボソッと小さい声で言った。
「林さん……そう言うことするんでね。意外でした。」
私は岩崎先生の言葉よりも、自分の名前を覚えていることに驚いた。
だって、学校一地味な女だよ?
名前知っている人なんていないよ。
「私も普通に女ですから」
私がそう言うと、先生の口調が変わった。
「ふーん…欲求不満なんだ?」
不敵に笑う岩崎先生に、ゾクッとした。
「じゃあ、満たしてくれる?」
_______それが、私と先生の始まり。
