
秘密の時間
第2章 マリアの日常
岩崎先生の授業が終わって、掃除の時間になる。
放課後まで、後、少し。
高鳴る胸と乱れ出す呼吸。
ああ…早く、貴方に抱かれたい。
私はそう思いながら、廊下の床を掃き終えた。
_____「岩崎先生ー?」
私はドキドキしながら、資料室にそっと足を踏み入れた。
グイッ
「きゃっ」
腕を強く引っ張られて、良く知っている岩崎先生の香りに包まれた。
「…真理亜、遅い。」
岩崎先生はそう言って、私の三つ編みを解いた。
私の黒髪がふわっと広がる。
「真理亜、コンタクトにした?」
先生はそう言い、私の眼鏡を取る。
「しましたよ。でも、何で伊達眼鏡をかけないといけないんですか?」
そう、岩崎先生は私にコンタクトに変えてと言った。
でも、普段は眼鏡をかけなさいとも言われた。
「真理亜が可愛いから」
平然と恥ずかしいことを言う先生。
というか、私が可愛いってありえないし。
「先生、冗談はいいですから…」
