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第17章 休日の朝

(二宮side)

櫻「はい」
「うん」

差し出された手をしっかりと握った。

櫻「どこ行く?」
「どこでも」
櫻「そういえば、しっかりデートするのって初めてじゃない?」
「あー、そうだね」

ビックリするぐらい緊張している。
足も震えてる。

櫻「なんか反応薄くない?」

しょうがないじゃん。
緊張してるんだもん。

「そう?」
櫻「つまんない?」
「そんなことないよ!」
櫻「じゃあ、どうして?」

「その…あの…き、緊張…しちゃって」

赤くなった顔を見せないようにうつむきながら言った。

櫻「二宮くんもか…」
「え?」
櫻「俺も、緊張してる」

顔をあげると、
「あはは」
って翔くんが笑ってた。

「う、嘘だ~」

いつもと同じだし、
緊張してるような感じもしないし。

櫻「嘘じゃないよ」
「嘘だよ。いつもと変わんないもん」
櫻「これでも?」

繋いでない方の手を俺に見せた。

「えっ」

手のひらが爪の痕で真っ赤だった。

櫻「クセなんだよ」
「え?」

櫻「緊張するとこんなになるの」

手をヒラヒラと振って、笑った。

なんか痛々しくて…。

「こっち来て」

俺は、翔くんの手を引いて路地裏に入った。

櫻「どうしたの?」
「痛いよね…」
櫻「えっ…ちょ、何してっ」

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