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第18章 それは君の好きな歌

(櫻井side)

「大好き」
二「え?」
「大好きだよ」

寂しさを少しでもなくそうと、声をかけた。

二「もぅ…なんでそういうこと言っちゃうの?」

繋がる手に力が入っていた。

二「離れたくなくなっちゃう…」

顔、真っ赤にして…。
余計に寂しさを煽った?

「俺もだよ」

このことを村上に話したら、
「んな、大袈裟なことちゃうやん」
みたいに軽く言ってきそう。

でも俺にとってはもの凄い長いんだよ。

大切な人が傍にいない辛さとか、
寂しさとか…知ってるから…。

二「翔くん」
「ん?」

二「俺…待ってるから。なにがあっても…翔くんのこと待ってるから」

俺に向ける二宮くんの目があまりにもまっすぐで、俺は引き込まれそうになる。

二「だから、帰ってきてね」

儚いぐらい綺麗に笑って、俺は少し怖くなってしまった。

しばらく見つめ合っていた。

二「待ってる」

俺の帰る場所は

“二宮くんの隣なんだ”

って、思わせてくれる。

「うん。ちゃんと帰るよ」
二「くふふ、いってらっしゃい♡」

俺は、二宮くんの笑顔に見送られて新幹線に乗り込んだ。

席につき、窓から二宮くんを探すと二宮くんはすでに背中を向けていた。

「さみしっ」

小さく呟くと、携帯が振動を伝えた。

メールだ。

〔大好きだよ♡〕

愛しさで胸がいっぱいなんですけど…。

〔俺も♡〕

端から見たら、凄い恥ずかしいメールかもしれない(笑)

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