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第20章 雨上がりの窓から

(二宮side)

櫻「うん…知ってる…」

「えっ!?」

ずっと背を向けていた体を、向き合わせて声をあげる。

櫻「ごめんね……智が教えてくれなかったから、飴を買って…」

「どうして…どうして翔くんが!」

起き上がって、問いかけた。

櫻「嫌なんだよ!」

投げ捨てるように言った。

櫻「二宮くんばっかりが辛いのなんて嫌なんだよ」

泣きそうな声を必死に抑えてるのがわかるから…
俺も、泣きそうになる。

櫻「俺が何をしたのかも全部わかった」

「俺が…何をしたのかも?」

櫻「うん…ここに来た経緯とか…なにもかも全部。だから…二宮くんの背負ってるもの半分分けて」

俺と翔くんの額をくっつける。

そして、どちらともなくキスをした。

櫻「好きだよ」
「俺もだよ…」

愛しさが溢れて止まらない。

櫻「あ、ちょっとごめんね」

バタバタと、リビングに向かい誰かと電話を始めた。

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