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第3章 心の奥を揺さぶるpassion

(二宮side)

そんなとき。
親友、兼幼馴染みの雅紀からメールがあった。

〔バイト、決まったよー〕

「マジか」

あの、人の話を聞かない雅紀にもバイトが見つかったのか。

〔今度、おいでよ♪〕

俺は、
「わかった」
と、返事を返して雅紀と会う日のことを考えていた。

〔突然だけど明日でいい?〕

「なんで?」

口から放つ言葉を、そのままメールで送る。

〔明日しか、そっちに行けないみたいだからさ。場所は明日メールする!〕

『そっち』ってどっちだよ。
って、ツッコみたい気持ちを抑えて
「わかった」
と、一言だけ送った。

それより翔くんのとこにいかないと。

家を出て、翔くん家のインターホンを鳴らす。

櫻「はい。あ、和」
「あの…ごめんね…」
櫻「別にいいよ」

最近の翔くんは、心ここに在らずって感じ。

櫻「あのさ…」

翔くんが、頭を掻きながら言った。

櫻「多分、もう和とはやっていけないと思う」
「…え?」
櫻「ごめん。」

バタンッ。

『俺達の境目だ』
と、言うようにドアが閉まった。

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