テキストサイズ

カレンダー

第1章 風の通る坂道

(櫻井side)

店の中は、外装と同じく真っ黒。
なんてこった。

いかにも、
『この店、怪しいですよ~』
って言ってるような店。

商品棚に並べられてるものも怪しい。

小瓶やら、怪しい箱やら…。

いかにも、
『この商品、怪しいですよ~』
って言ってるような商品。

とにかく、
“THE 怪しい店”

店員「いらっしゃいませ」
「うわっ!ビックリしたぁ…」
店員「すいませんね~」

ニコニコ笑う店員さん。
ぜってー悪いって思ってないな。

「あ…こっちこそすいません」

一応、謝ってやる。

店員「ところで、なにかお買いになりますか?」

なんで、流すんだよ。
コイツ、名前覚えてやる。

名札を見る。

………店内が薄暗くてよく見えない。

店員「お客さん?」
「あ、いや…どんな店かなって…」
店員「あ~、よくいらっしゃいますよ。そういうお客さん」

どういうわけ?
え?なんか、ヤバい店なの?

店員「まぁ、とりあえずごゆっくり」

え、そこで突き放すわけ?
え?なんの店なの?

え、怖い怖い怖い。

怖いって!

店員「あ、大野さん」

……大野?

ヤバい。
嫌なこと、思い出しそう。

『大野』
なんて、苗字は日本にごまんといる。

なのに…過剰反応をしてしまう。

店員「え?帰るんですか?」
大野「ごめんねー、だからコレは販売中止ね」
店員「は~い」
大野「また、明日ね。相葉くん」
相「はい、また明日」

あの店員、相葉っていうのか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ