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第7章 確かな答えなんて

(二宮side)

こんな翔くん、見たことない。

俺を求めることはあったけど、
全て性欲を制御するためだけの行為だったんだ。

櫻「な?」

首筋に翔くんの息が吹きかかる。

「…わかりました、もう寝ましょ?」
櫻「うん」

離してくれると思ったんだけど…。

「あの…歩きにくいんですけど…」
櫻「そう?」
「えっと……」

幸せなんだけど、布団に入ってからがいいな…。
なんて、贅沢言い過ぎかな……。

櫻「二宮くんはさ…」

翔くんが突然立ち止まった。

櫻「なんで……泣いてたの?」

ビクッと体が跳ねた。

櫻「俺でよければ…教えて?」

翔くんが優しいことも知ってる。

「櫻井さん…」
櫻「ん?」
「俺、櫻井さんが…好きすぎるの」

翔くんの腕の力が緩む。

「好き過ぎて…おかしく…」

翔くんの手が、顔に伸びてきたと思うと頬に手が添えられて。

櫻「二宮くん、好き」
「っ…」

また泣けてきて…。

『好き』と何度も言われて、何度も頬にキスをされた。

「櫻井さん…」

なんだかもどかしくて…。

櫻「二宮くん…」

翔くんは、俺の唇に啄むように、はにかむようにキスをした。

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