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第7章 確かな答えなんて

(二宮side)

俺は、翔くんが寝たのを見計らって布団から出た。

翔くんは、俺じゃない他の誰かのことを考えていた。

「…誰だよ」

せっかく、翔くんから告白してもらえたのに。
前とは、違う結末を望んでいるのに。

また、同じ結末になるのか?

最後には、俺がフラれるんだ。

「はぁ…」

ため息をつくと幸せが逃げると言ったのはどこのどいつだ。

ため息をついてる時点で、幸せはもうとっくに逃げてるというのに。

『諦めなければ、夢は叶う』

ほんとに叶うのか。

『諦めたらそこで試合終了だよ』

諦めなければゲームは続行されるのか。

そんなことまで考えてしまう。

どんどん気持ちが暗くなっていくんだ。

ずっとずっと、空回りだ。

どうすれば、このループから抜け出せるんだ?
誰か、教えてくれ。

「…っ」

同じ家に翔くんがいるんだ。
泣いちゃ…駄目だ。

「んくっ…」

声を漏らすな。
翔くんに気付かれないように…。

そしたら、後ろに人影が見えた。

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