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第7章 確かな答えなんて

(二宮side)

明らかに、翔くんじゃない。

バッ!と振り返る。

松「二宮、和也くん?」
「だ、誰だよ」
松「『yellow WORLD』買ったよね?」

『yellow WORLD』
俺が、この時間軸に来るために買った飴の名前だ。

「はい…」

そっち関係の人だと分かると、警戒は解けた。

松「『yellow WORLD』がさ、消えたんだよね」
「はぁ…」

俺はなんのことか、わからずに返事をした。

松「ドロップが消えるってことは…」
「ドロップってなんですか?」
松「あ、飴のことね」

飴のことをドロップって呼んでるのか。

松「続けるよ。ドロップが消えるってことはもう、二宮くんは他の時間軸にはいけないってことになるんだ」

「俺は、ずっとこの時間軸にいるってことで他の時間軸には移動できないと」
松「そう!理解早いね~」

そう、考えると…。

「もう…戻れない…」
松「そう。でも、あの店に入れるのはほんの限られた人だからね」
「え」
松「あの店は、世界で50人しか見ることができないんだ」

え、俺がその一人?

松「とりあえず、『yellow WORLD』のお買い上げありがとうございました!」

それだけを言い残して、消えた。

もう…やり直せない。

いや。
一度でもチャンスをもらえたことをありがたく思わないと。

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