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第14章 遠い日の記憶
(二宮side)
涼しい夜風が、俺を責めた。
『酒に逃げるな』
そう言ってる。
櫻「二宮くん、タクシーで帰る?」
なんでかはわからないけど不安に駆られた。
だから、翔くんと俺を繋ぐ手に力を込めたんだ。
櫻「二宮くん?」
立ち止まって、俺の顔を見た。
櫻「どうしたの?」
俺の目から、温かい水が流れた。
でも、そんな水も涼しい夜風ですぐに冷たくなってしまう。
「んーん…なんでも、ないです…」
頭を横に振って、翔くんとは繋がっていない手で冷えた水を拭う。
櫻「二宮くん」
俺の頬に手を添えたかと思うと、
顎をクイッとあげられる。
目に溜まる水が、翔くんの顔を歪ませて見せた。
櫻「…言わなくてもいいけど、泣かないで?」
翔くんが優しく声をかけてくれた。
櫻「もー、泣かないの!」
両頬をパシッと軽く叩かれた。
「翔くん…」
だんだん、酔いが覚めてきた。
櫻「ん?」
「……好き」
目を合わせずに言って翔くんのTシャツの裾を握る。
櫻「俺の手は、ここだよ」
裾を握っていた手を引っ張り、手を繋いだ。
櫻「歩いて帰ろうか」
俺は、頷いた。
涼しい夜風が、俺を責めた。
『酒に逃げるな』
そう言ってる。
櫻「二宮くん、タクシーで帰る?」
なんでかはわからないけど不安に駆られた。
だから、翔くんと俺を繋ぐ手に力を込めたんだ。
櫻「二宮くん?」
立ち止まって、俺の顔を見た。
櫻「どうしたの?」
俺の目から、温かい水が流れた。
でも、そんな水も涼しい夜風ですぐに冷たくなってしまう。
「んーん…なんでも、ないです…」
頭を横に振って、翔くんとは繋がっていない手で冷えた水を拭う。
櫻「二宮くん」
俺の頬に手を添えたかと思うと、
顎をクイッとあげられる。
目に溜まる水が、翔くんの顔を歪ませて見せた。
櫻「…言わなくてもいいけど、泣かないで?」
翔くんが優しく声をかけてくれた。
櫻「もー、泣かないの!」
両頬をパシッと軽く叩かれた。
「翔くん…」
だんだん、酔いが覚めてきた。
櫻「ん?」
「……好き」
目を合わせずに言って翔くんのTシャツの裾を握る。
櫻「俺の手は、ここだよ」
裾を握っていた手を引っ張り、手を繋いだ。
櫻「歩いて帰ろうか」
俺は、頷いた。