テキストサイズ

カレンダー

第2章 明日のために

(櫻井side)

玄関を開けて、もらったビールを冷蔵庫にしまう。

「あれ?」

ビックリした。
もらったビールは、俺の好きなビールの種類だった。

「ははっ、ラッキー」

なんかテンション上がった。

でも、すぐにテンションは下がる。

“大野智”
俺の、初めての男の恋人だ。

高校時代、俺の前から突然消えた。
誰に聞いても、智がどこに行ったのか知らなかった。

先生は、知ってたみたいだけど口を割らなかったんだ。

23歳になった今でも、引きずっている。

情けない大人になったな。

情けないといえば、こないだ仕事をクビにされた。

まぁ、クビになってよかった。

だって、あの会社の社長俺にセクハラしてきたんだぞ?

そんな会社こっちから、願い下げだわ!

ちなみに、クビになった理由は社長を殴ったから。

セクハラしてきたんだから、
殴るぐらいで勘弁してやった俺に礼を言って欲しいぐらいだ。

「…風呂、いれるか」

俺は、浴室に向かった。

「あ、冷蔵庫閉めんの忘れた」

バタンッ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ