テキストサイズ

カレンダー

第15章 リアルと繋がるリセット

(相葉side)

「すいません…出てきます」

俺は櫻井さんに一礼して店の外に出た。

「もしもし」
ニ『もしもし』

電話の相手は、にのだった。

「どうしたの?」
ニ『なんか…また失敗しちゃったかも』
「え?」
ニ『また…フラれるかも…』

“また”ってどういうこと?

俺は窓越しに、店内にいる櫻井さんを見た。

もう一回、フラれるってこと?

「えっ、今のにのの彼氏って…」
ニ『うん。浮気されて別れた人』

あの人が…櫻井さんが…
浮気をしてにのをフった人?

「嘘でしょ?」
ニ『本当だよ』
「じゃあ…櫻井さんは……」
ニ『え?なんで、翔くんのこと知ってるの?』

冷や汗が流れる。

「ごめん…かけ直す…」
ニ『え、待っ…』

にのの声を聞く前に電話を切った。

俺は、忘れてたんだ。
あのときの、にのの決意を。


『いいです。今の俺は、半年生きられないぐらいでくたばるような男じゃないですから』


にのはそれだけ櫻井さんが好きなんだ。

もう櫻井さんじゃないとダメなんだ。

にのにも、愛する人ができたんだ。

昔のことを考えると、涙が出そうになったんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ