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第16章 想い抱くそれぞれの未知

(二宮side)

翔くんが全てを知った。

もう、終わりだって思った。

なのに…

櫻「好きだよ、俺は二宮くんが好き」

俺を抱き寄せて、翔くんは何回も呟いたんだ。

泣き崩れる俺を抱き寄せながら。

「翔くん…俺、もういなくなるから…」

耐えられないよ。
翔くんを騙したことには変わりないんだから…。

「翔くんの前から…消え…」

櫻「嫌だ!」

今までで、一番の力といっていいほどの力で俺を抱き締めた。

櫻「嫌だよ…二宮くんがいなくなるなんて嫌だよ…」

「でも…」

櫻「二宮くんがここに来たのは、俺が原因なんでしょ?俺が、浮気なんて…」

「でも、あれは別の時間軸…」

櫻「それでも、二宮くんを傷つけたのには変わりないでしょ?」

向き合って、正面から俺を抱き締めた。

櫻「二宮くんの半年を奪ってごめん…」
「翔くんは、悪くない…」

錯覚に陥った。
あの時の翔くんが目の前にいるみたい。

「翔くんに飽きられた俺が悪い…」

温もりを感じる。

「翔くんにしっかり『好き』って伝えてなかった…」

ドロドロした何かが、溶けていく。

「浮気なんてさせて…ごめんなさい。翔くん、好きだよ…」

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