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元風嬢、でも良いじゃない。

第3章 あ、そうなの。

《おつかれさまでーす》





次ぐ日、私はいつもしていた残業をせずに職場を去ろうとした。



『え?セナ?何か今日用事あんの?』

《いや、ないけど。》

『残っていかないの?』

《今日は早く帰りたいからいいや。》

ルイにそう告げると私は足早にビルを後にした。









『灰野さーーーーーーーん!』



駅の喫煙所にいると、人に呼ばれた。

こんな人が大勢いる中、そんな大きな声で苗字を呼ばれるのも恥ずかしい。


『あれー?今日はルイと一緒じゃないのー?ケンカ?』

そこには、石井さんがいた。

《違いますけどー。》

『なんかあった?』

少し悲しい顔をする私を心配そうに見ている石井さん。




《ルイって本当は私の事どうでもいいんでしょうね。石井さんたちと一緒にいる方が楽しそうだし。》


タロウから聞いたこと全てを石井さんに伝えそうになりながら、落ち着いて思いを話した。



本当は石井さんじゃなくて、全てルイに伝えるべきなのに。

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