
私 と 僕俺
第8章 17年待った初彼①
『僕、結構村瀬先輩のこと
お気に入りなんですよ』
目線を合わされて、
私の目の前で笑う
王子様みたいな顔に
KO寸前です…。
『お気に入りなんて、
先輩には失礼な言葉ですね』
眉をさげて笑う小澤くんは
ポケットから携帯を取り出した。
『先輩、電話番号教えてください』
「…ふぇ、で、電話?」
教えてください 、は嬉しいけど
なんで電話?LINEでなく?
『LINEでもいいですけど…』
「けど?」
『………っ///』
うぎゃ、もう嫌だ!
首かしげるとか何!?
古典的なぶりっ子みたいなこと
さっきからやってない私!?
気持ち悪!
恋って恐ろしく無意識に
女の子を可愛くさせるのね…。
