
私 と 僕俺
第8章 17年待った初彼①
何が起こったのか
全く理解出来ずに
その場に固まってしまった。
『お時間とらせましたね』
まだ放心状態。
『また連絡しますから』
まだ放心状態。
『あぁ!!あとぉ!!!!!』
「はひぃ!!!!」
小澤くんが必要以上に
大きな声で私に向かって
『むらせせんぱい って
せ が重なってて呼び辛いので!
葎花先輩って呼びますね!!』
葎花先輩…葎花先輩…
し!し、し ししし、下の名前ぇ!?
『じゃあまた』
ニコッと笑って
その場を去った小澤くん。
いろいろとキャパオーバーです。
まだ右のほっぺが
熱を持ってる……。
