
私 と 僕俺
第10章 17年待った初彼③
「…キス………して………」
消えそうな声。
聞こえるかわかんないけど、
最大限に恥ずかしさを破った。
してほしかった。
ちゅぅっ………ちゅっ…
最初、短いキスだと思ったら
息継ぎをする前にまた口を塞がれた。
目をきゅっと瞑っていたけど、
私の唇を小澤くんが控え目に舐めた時
びくっとなって咄嗟に目をあけた。
2人で見つめあった。
『ごめん葎花先輩』
「?」
『やっぱ我慢むり』
「むり…?」
『止まんねえ』
そう言って、
私は道から少し外れた所へ
強引に連れて行かれた。
