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複雑な恋のゆくえ【完】

第3章 本音を隠す/隠さない

恋には色んな形があって、その中には他人が理解できないような複雑な形もある。

それがコイツ。

うだうだうじうじする千秋を横目に、あたしは
「帰ろ」
と言う。

我ながら冷たい性格。
それでも千秋は懲りずに「葵ぃー」なんて泣きついて。

――ほんっとカワイイ。

犬みたい。

慌ててスクバを持って、千秋はカーテンを開けた。

そこには二人の姿はなかった。

それに切なそうな顔をして、千秋はまた笑うんだ。

「今日はクレープ買ってこー! ヤケだー!」

ヤケ食いの宣言をする千秋にくすりと笑う。

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