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同窓生

第15章 運動会

走る体勢から右足を引きずり始めた夏海に視線が集まり、どよめきが起こる。

『夏海ちゃん?』

「佐伯?」

美桜も敦も心配していた。

次々に他のチームが第二走者にバトンタッチをしていく。

距離がはなれる。

あと、1メートルで第二走者、理沙にバトンタッチできる……

『夏海ちゃん!もう少しだよ!頑張って!』

遠くで美桜の声が聞こえた。

「佐伯!頑張れ!」

遠くで敦の声が聞こえた。

意識が朦朧とする中、バトンを理沙に渡した後、痛みでその場から動けなくなった。

保健係が担架を持って近づいてきた。

そこに敦も来て、

運び出そうとする保健係に

「待ってあげて?佐伯は、見届けたいはずだから。リレー終わるまで待って?」

そう伝えた。

「敦くん……ありがと。」

「頑張ったな、佐伯。佐伯の分まで美桜がもっと頑張るよ、きっと。美桜は一位以外、似合わないからさ。」

コクンと夏海は頷いた。

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