テキストサイズ

同窓生

第15章 運動会

理沙が三位まで上がって、知抄にバトンタッチした。

知抄は二位との距離をグングン縮めた。そこで美桜にバトンタッチした。

「美桜!」

『任せて!』

アンカーはトラックを一周するので、他の走者より距離が長い。

この距離なら二人とも抜ける!

美桜は確信していた。

グングン距離が縮まる。

あっと言う間に二位を抜き、

一位の背中目掛けて猪突猛進!

美桜は人の背中を見て走るのが大嫌い。

だから抜きたくて更に風を切る。

耳元で風を感じ、

全身で秋を感じる。

少しずつ距離を縮め、

手を伸ばせば届きそうなくらいの距離にまで追い付いた!

あと30メートルでゴール……

あと20メートル……

あと10メートル……

なかなか抜けない

あと5メートル!

という距離でやっと、抜いて、

一位でゴールテープを切った!

ワーーーッ!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ