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同窓生

第17章 修学旅行

「昌くん?」

「ごめん。修学旅行て、思ったより二人きりにはなれそうにないからさ。」

「確かにそうかもね。」

少し、海が見える小高い公園に来た。

「鎌倉って、どこに行っても人ばっかだな。」

昌がつぶやく。

本当に人が多かった。

昌たちの住む町だったら、平日の昼間の公園なんて数えるくらいしか人はいない。

人が多かろうが、恋人同士と思われる人たちは、ところ構わずイチャイチャしていた。

昌が、悶々としてる気持ちを必死で抑えてるのに。

小道を挟んで樹木に囲まれている所に入った。

「ここの公園、けっこう広いね。」

夏海が言う。

「そうだね。そこに座るね?」

「うん。昌くん、ずっと車椅子押してくれて、ありがとう。疲れたでしょ?」

「全然!座るって言ったのは、ナツと目線の高さを合わせたかったから。」

「ありがと。」

昌が車椅子のストッパーをして、ベンチに座った。

「ナツと来れて良かった。」

優しい瞳で夏海を見つめた。

「私もだよ!ここにも連れてきてくれて、ありがとう!すごく……キレイ!」

目の前に広がる海がキラキラ輝いていた。

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