テキストサイズ

同窓生

第18章 翔と知抄の初めて

不覚にものぼせてしまった、知抄。

翔が心配して、敦と部屋に訪ねてきてくれた。

敦と美桜は知抄に気を使い、翔と二人きりにと、障子の向こう側へと姿を消した。

話し声はほとんど聞こえない。

翔が心配そうに、

「大丈夫?落ち着いた?」

と、聞いた。

知抄が、

「う、うん。心配かけてゴメン。」

と答えると……

半身起こして、水を飲もうと手を伸ばした。

浴衣で下に何もつけてないことをすっかり忘れて……。

自分の方がペットボトルに近いからと、知抄に手渡そうと振り向いた翔が、

ゴトッ!

ペットボトルを落とした。

前傾姿勢になった知抄の胸元に視線が釘付けになった。

コロコロ転がるペットボトルを受け取り、

「ありがと。」

一口水を飲み、

翔の視線を追った。

「あっ!見た?」

バッ!と胸元を隠して、翔を見る。

「いや……あの……見えたんだよ?」

「そーだけど……」

「ごめん。見たよ。」

視線を反らしながら言った。

「ずっと我慢させててごめんね?」

知抄が話した。

「え?我慢なんて……してないよ。」

「そう?」

「ああ。俺は知抄がしたくなった時がヤるときだって。ただ、そう思ってるだけだよ。」

「翔くん……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ